不安や恐怖を減少させる?

オキシトシンは中枢神経において神経伝達物質として働く以外に、「愛情ホルモン」として脳に作用したり、血液中に放出されることにより、ホルモンとして末梢組織に作用し、分娩誘発や乳汁分泌促進などをもたらします。

愛情ホルモンとしてのオキシトシンは母子の抱擁や恋人同士の性行為など、互いのスキンシップにより分泌が促進され、幸福感や相手への愛情、信頼感を高める効果があり、同時に不安や恐怖を和らげる効果もあります。

これはオキシトシンが精神安定を司るセロトニンの放出を促進したり、恐怖の感情に関連の深い扁桃体の活動を抑制するからと考えられています。

ところが、最近の研究ではこれに矛盾するかのような作用が明らかになっています。

それはオキシトシンが不安や恐怖を減少させるのではなく、むしろ増幅させてしまったり、過去の苦い思い出や辛い経験の記憶を増強させてしまうというものです。

母親の体内では、出産時、授乳時、わが子と触れ合っているときなどにオキシトシンの分泌が促進され、わが子への愛情が増しますが、同時に育児に積極的でないパートナーなど、他者への攻撃性が高まり、イライラの感情が生まれることがあります。

現段階では、一筋縄では捉えられない物質と言わざるをえません。

オキシトシン

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